『職業を通して奉仕する』というロータリー独特の概念は、アーサー・シェルドン(1908年入会 ビジネススクール経営)によって提唱されたものです。ロータリー第二標語(RotaryMotto)として知られる『最もちく奉仕する者、最も多く報いられる(He
profits most whoserves best)1910』というフレーズにその意が尽くされています。
事業の成功は、自分の利益を優先させるのではなく、まず他人のためを考えて行うことによって実現する、というのがシェルドンの考えです。
「他人のために」という態度を、彼は『奉仕』と表現しました。取引相手、あるいは従業員、また関わる人々の利益を考えて行動する(奉仕する)ことが、結果的に信用と信頼を生み、ひいては自らの利益となって還ってくる、という考え方をロータリーに導入したのです。
したがって彼の職業奉仕の理念は本来職業成功の梯訣であったのです。しかしながら、その槌訣は決して自分本位の利益を目的としたものではなく、「他を益する」ことがひいては「自分の利益」になるというものですから、とうぜん他者の利益にもなります。他を益する奉仕こそが自らの利益を得る道なのです。つまり奉仕と利益は、循環する一つの輪なのです。利益は決して忌避すべきものではなく、職業を奉仕と捉えて実践することで得られる当然で正当な結果です。 |
このようにして見ると、シェルドンの考えは『共存共栄』の思想であると言えます。
加えて、他の利益を先にすることによって自分の利益を得ることができると考えるわけですから、このフレーズの中にすでに奉仕優先の思想、つまり『超我の奉仕(Service
atlOVe Self)』の思想が宿っています。
しかしロータリーの歴史を見ると、その考え方は当時必ずしも全面的に理解されたとは言えないようです。ロータリーは仲間内の利益のためのもので、それ以外の人のためではないという意見も少なからずあったのです。また反対に、ロータリーは自分の利益を求めるものではなく、純粋に他のために奉仕するべきだとする考え方もありました。これはピューリタンの伝統を持つ善良なるアメリカ人にとっては自然な考え方でしょう。さらには、社会のためにボランティア活動をすることこそがロータリーの責務だとする考え方が広まり、もともとあった職業繁栄を持論とする派との対決、いわゆる職業奉仕派と社会奉仕派との論争が起こったのです。
この論争は、ロータリーを二分しかねなかった大事件でしたが、1923年のセントルイス大会で提出され決議された「社会奉仕に関する声明」、いわゆる決議23−34号によって両思想の調和をはかることに成功したのです。
その決議23−34号は以下の通りです。
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