日立ロータリークラブの御意見番


斎藤 隆
Takashi Saitoh
1984〜1985ガバナー


パストガバナーのお二人に
その時々の行事・事象について感じたことなどを週替わりででお書きいただきます

2006/09/27 START

清水 清
Kiyoshi Shimizu
2003〜2004ガバナー

21 『いのちの電話』の卓話を拝聴して 2007/3/13 by Kiyoshi
『茨城いのちの電話水戸事務局長』松下洋子さんのボランティア活動についての卓話を拝聴した。同団体が茨城県に設立された年が1985年、ロータリーが丁度ポリオ撲滅運動を開始した年と図らずも同じであることは不思議な気がする。

『いのちの電話』の発祥はイギリス・ロンドンで1953年に誕生したと聞く。不安と孤独に悩む人々を、互いに励ましあうよい隣人として心を通わせる運動が狙いで世界に広がり、日本にも伝わり今日に至っている。

1985年当時の日本は、バブル経済に浮かれた時代を過ぎようとしている時代で、景気が下降線をたどり始めた時代である。企業の勢いも次第に下がりつつあり、工作機械メーカーが先人を切って企業体質改善の動きであるリストラを始めている時代である。この動きは年々顕著になり、1990年代前半には、全ての産業界に及び景気の後退が問題視された時でもある。

『いのちの電話』の誕生は、正に、リストラが生んだ問題点と時を同じにしているといえる。

『いのちの電話相談』の実態分析を見ると、職を失った人々や健康問題を抱えた人々など弱者への影響が非常に大きく、悲惨な状況が伺えることは誠に残念でならない。競争原理がもたらした住みにくい自由経済社会の宿命を感じざるをえない。

発展途上国にはこの様な悩みは見られない、貧しくてもそこには笑顔がある。

日本における自殺者の数が年間30,000人、しかも、最近では高齢者よりも働き盛りの若者に多く移りつつあることは、国を背負う人々がいなくなることにも通じる大問題である。

昔の職場にはゆとりがあり、悲惨な世界に追い込まれる若者は少なかった。
それだけ、企業に生き残るためには贅肉を取らなければならない背景があることも事実であろう。全ての職種において、自分に取って代わる人がいないところまで追い込まれている。ONLY ONEの世界なのである。

疲れても休暇をとることもできず、一人で悩み、うつ病の道をたどる人がなんと多いことか、精神科医が指摘していることも日本社会の問題点を表している。

近年、景気が回復してきたと言われるが、全産業界が回復してきたとは見えない。特に、中小企業の苦悩は限度を過ぎているものと感じる。

大企業でも、リストラのやり過ぎでベテラン技術者不足の悩みも大きい。
来年度の新卒者を大量に採用する動きが出てはきているが、短期育成は難しい。

今になって、贅肉を取った事が裏目に出たことを嘆いても仕方がないと思う。

『いのちの電話』の奉仕活動の情熱と粘り強さには頭が下がる思いがする。ロータリアンが奉仕する人道的奉仕活動と一致する点が多い。これらのボランティア活動を支援することができた今回の外部卓話は効果的であったと思う。関係者の努力とこれからの発展を心から願わずにはいられない思いである。


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